微生物検査部門
微生物検査部門では、尿や便などから、腹痛や下痢の原因となりうる
細菌がいるかいないかを調べる検査を実施しています。
微生物検査部門紹介
Microbiology laboratory department
微生物検査部門では、尿や便などから、腹痛や下痢の原因となりうる細菌がいるかいないかを調べる検査を実施しています。
また、治療に使用する抗菌薬を決めるために、その細菌に対して効果的に作用する抗菌薬を調べる検査なども実施しています。
当検査部門では、一般細菌検査、結核菌検査、新型コロナウィルス核酸検出検査を実施しています。
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BIOSAFETY CABINET -
全自動薬剤感受性試験装置 -
蛍光一体型光学顕微鏡 -
全自動遺伝子検査装置
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一般細菌検査
塗抹検査
グラム染色という染色法で、細菌がいるかいないか、細菌の形などを観察します。培養同定検査
それぞれの検査材料を寒天培地の上で発育させて、感染症の原因菌を突き止めます。薬剤感受性検査
原因菌と考えられる細菌に対して効果的に作用する抗菌薬を調べます。糞便検査
腹痛や下痢の症状がある場合は、食中毒の原因になるような細菌(O157など)がいないかどうかを調べるために検査します。 また、健常者であってもこのような細菌を保菌している場合があるため、学童施設や食品業者の検便でもO157などの検査を実施しています。 -
結核菌検査
塗抹検査
チール・ネルゼン法、蛍光法(蛍光顕微鏡を用いて)という染色法で、結核菌がいるかいないかを観察します。結核菌培養
小川培地を用いて4~8週間発育させます。結核菌感受性検査
小川培地を用いて検査しています。
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遺伝子検査
検出抗原 検体 測定時間 新型コロナウィルス核酸検出 鼻咽頭ぬぐい液 1時間 ヘリコバクター呼気試験
胃・十二指腸潰瘍の原因であるピロリ菌の感染を調べる検査です。ユービットという錠剤を服用し、その前後の呼気を調べることによってピロリ菌の存在を確認する検査方法です。患者様の負担も少なく、およそ30分で結果が分かります。
用語・単語 解説
Frequently Asked questions
- 膀胱炎、咽頭炎、中耳炎、下痢、皮膚炎などを起こす細菌の総称です。生育するのに空気を必要とする好気性菌と、空気を嫌う嫌気性菌に大別されます。
(大腸菌、溶連菌、黄色ブドウ球菌、O157、サルモネラ、乳酸菌など)
- 1884年にオランダのC.Gramによって開発された染色法です。
グラム染色によって染められた細菌は、青紫色に染まる細菌と赤色に染まる細菌とに分けられます。食中毒で知られているO157やサルモネラは赤色に、ブドウ球菌、溶連菌は青紫色に染まります。
- 腐った食品や刺身、すしなどの生魚、火がきちんと通っていない肉などを食べたことが原因で、下痢や腹痛、吐き気、嘔吐、発熱などの症状が出る病気の総称です。
腸管出血性大腸菌O157:1982年アメリカのオレゴン州とミシガン州で発生した生焼きハンバーガーによる食中毒事件の原因菌としてはじめて話題になりました。重症になると死亡する場合もあります。
サルモネラ:汚染された鶏肉や鶏卵から感染します。
- 大きく分けて、性行為感染症を起こすものと肺炎を起こすものがあります。
前者は性行為感染症の原因菌のなかで最も多く、男性では尿道炎や副睾丸炎、女性は子宮内膜炎や卵管炎を起こし、不妊の原因となります。また、妊婦が感染すると、出産の時、新生児に産道感染し、結膜炎や肺炎などを起こします。
- 乳幼児の冬の急性下痢症は主にロタウイルス感染により起こります。環境中でもウイルスは生存していられるため、感染者の糞便中のウイルスが他の人の口に入って感染し、嘔吐、下痢、発熱などを起こします。
- インフルエンザウイルスに感染すると、1~3日の潜伏期間を経て、突然の高熱、のどの痛み、筋肉痛などの症状が現れます。毎年、初冬から春先に流行し、小児や高齢者では重症になることもあります。
- ヘリコバクター・ピロリは、胃や胃粘膜の中で生きている細菌です。この細菌の感染が、胃・十二指腸潰瘍の原因のひとつになっています。
日本では、40歳以上の75%が保菌しているといわれています。